ウイルス感染を防ぐ 必須の「最新ソフト更新」

パソコン利用の基本は「セキュリティー対策ソフトを使う」「ソフトを最新版にする」の二つ。最新版であるかは「MyJVNバージョンチェッカ」で確認しよう。(ITジャーナリスト・三上洋)

ウイルス対策ソフトだけでは防御できない

 
IPAへの偽セキュリティー対策ソフトの相談件数。3月になって相談件数が大幅に増えている 新入学・新生活がスタートしたこの季節、パソコンを替えたり新たに使い始めたりする人もいるだろう。パソコン利用にあたって絶対必要な準備が二つある。一つはセキュリティー対策ソフト(ウイルス対策ソフト)をインストールすること、もう一つはネット利用のための各種ソフトを最新バージョンにすることだ。

 後者の「ソフトを最新版にする」方法について、情報処理推進機構・IPAが「MyJVNバージョンチェッカを活用して脆弱(ぜいじゃく)性を解消しましょう!」という呼びかけを行っている。

 まず右のグラフを見てほしい。偽セキュリティー対策ソフトに関する相談件数だ。2012年3月は44件と大幅に増えている。相談者からは「セキュリティー対策ソフトを入れていたのに感染した」「自分でファイルをダウンロードしたり、プログラムをインストールしたりしていないのに、いつの間にか感染していた」という相談があった。このパターンは「脆弱性」を突いた攻撃を受けた可能性が高い。

 脆弱性とは、ソフトウエアの弱点・欠点のことで、攻撃されると勝手に不正なソフトを実行され、ウイルスに感染したり個人情報を盗まれたりすることにもつながる。もっとも脆弱性を狙われやすいのは、下記のソフトだ(IPAによる)。

・Adobe Flash Player(サイトで使われているFlashの表示ソフト)
・Adobe Reader(文書ファイルPDFの閲覧ソフト)
・JRE(Java Runtime Environment)(ウェブサイトでよく使われる実行ソフト)


 いずれもブラウザーで、ウェブサイトを閲覧する際によく使われるソフトだ。犯人はウイルス感染や個人情報盗み出しのために、これらのソフトにある脆弱性を攻撃する不正なサイトを作成する。もし脆弱性が残るバージョンを使っていると、この不正なサイトを見ただけでウイルスに感染したりする。ウイルス対策ソフトがインストールされていても、被害に遭うことがある。だからこそ、普段から最新バージョンのソフトを使うことが重要なのだ。

 しかしながらユーザーの意識は低い。いまだに「ウイルス対策ソフトがあれば防げる」と思い込んでいる人が多いからだ。また、ソフトを最新版にするべきだとわかっていても、「更新方法がわからない」という人も多いようだ(IPAの調査によると4割以上が「更新方法がわからない」と答えている)。そこでIPAでは、ソフトが最新版かどうかチェックする「MyJVNバージョンチェッカ」というツールを公開している。このツールを定期的に実行し、常に最新バージョンのソフトを使うようにしたい。

「MyJVNバージョンチェッカ」の使い方

 
IPAによる「MyJVNバージョンチェッカ」。ソフトが最新かどうか確認できる


 
Flash Player設定マネージャー。ウィンドウズのコントロールパネルで確認できる(ウィンドウズ7の場合) 「MyJVNバージョンチェッカ」はサイト上で実行するウィンドウズ向けのツールだ。まずは「MyJVNトップページ」を開く。ウィンドウズのバージョンに合わせた4タイプがあるので、自分のバージョンに合ったものをクリックする(ウィンドウズのバージョンは「マイコンピュータ」もしくは「コンピュータ」を右クリックし、「プロパティ」を押すと表示される)。

 起動時に、プログラムを実行するかどうかを確認するセキュリティー警告画面が表示される。ここで重要なのは、発行者が「Information-technology Promotion Agency, Japan」であることを確認すること。

 IPAのサイトだから信用できるはずだが、自分の目で確認することが重要だ。偽サイトを作ってだますフィッシングサイトや詐欺サイトでは、同様の方法で不正なソフトを実行させることがある。だまされないための訓練だと思って、発行者をしっかり確認しよう。

 次に右のような画面が表示されるので、上部にある「実行」をクリックする。もし「× 最新のバージョンではありません」と表示されたら、右側の「結果詳細」欄にある「表示」をクリックしよう。すると下に判定結果と最新バージョンのインストール方法のリンクが表示される。このリンクを参考にして、最新バージョンを導入すればいい。

 この「MyJVNバージョンチェッカ」はとても重要なので、ブラウザーのブックマークに登録し、できれば1週間に1度は実行して確認するようにしたい。

 またIPAではUSBメモリの状態を確認する「MyJVN セキュリティ設定チェッカ」も提供している。ウイルス感染のルートとしてよく使われるUSBメモリー周りの環境をチェックするツールだ。USBメモリー経由での感染を防ぐために、1度は実行しておこう。なお上記の「MyJVNバージョンチェッカ」との同時起動はできないので、「MyJVNバージョンチェッカ」を閉じてから実行することを勧める。

 なお、もっとも狙われやすいAdobeのFlash Playerでは、ソフトウエア更新の自動チェックが可能だ。コントロールパネルにある「Flash Player」を開き、「高度な設定」の「更新」で「アップデートの有無を自動チェック」にチェックマークを付けておきたい。

 繰り返しになるが、ウイルス対策ソフト(セキュリティー対策ソフト)だけでは安全ではない。ソフトウエアを最新版にすることが重要だ。自分だけでなく、家族や友人、同僚や職場のパソコンにも気を配ろう。

読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/net/security/goshinjyutsu/20120406-OYT8T00860.htm?from=osusume