<スマホ>悪質ウイルス被害 8割がアンドロイド

 グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載するスマートフォン(多機能携帯電話、通称・スマホ)を狙ったウイルスの危険性が深刻化している。2月までに確認されたウイルスや悪質プログラムは1358個に及び、アンドロイド端末を狙ったものは8割を超える。アンドロイドはプログラムを公開しているため、ウイルスなどを作成しやすいといい、専門家らは注意を呼びかけている。【岸達也】

 情報セキュリティー会社トレンドマイクロ(本社・日本)やカスペルスキー(本社・ロシア)によると、確認されたウイルスや悪質プログラムは、スマホに登録された電話帳や通話内容を録音したデータを漏えいするものなど、さまざまある。他にもスマホの位置を示すGPS(全地球測位システム)データを漏えいしたり、政治的なメッセージが勝手に送信される例もある。

 アンドロイド端末をめぐっては、スマホの電話帳に登録されている名前や電話番号を勝手に外部送信するアプリケーションソフト(アプリ)が出回り、100万人規模の個人情報が流出する被害が確認されたばかり。トレンド社によると、04年から10年ごろまでは実害を及ぼさない「愉快犯」的な悪質プログラムが大半だったが、最近は個人情報の漏えいを狙ったウイルスなどが増え始めている。スマホがGPS機能を搭載しているなどパソコン以上に個人情報を集めやすいことが理由とみられ、警視庁も情報収集を始めている。

 トレンド社によると、ウイルスなどは10年8月に初めて確認された。1年後の11年8月に193個、さらに半年後の12年2月には1358個と急増している。カスペルスキー社によると国内外で11年4月に検出した悪質プログラムのうちアンドロイド端末を狙ったものは5%弱。それが今年3月には81%まで激増しており、アンドロイド端末が狙い撃ちされている状況という。アンドロイドと異なる基本ソフトを搭載するアイフォーンを狙ったプログラムはわずか0.1%にとどまる。

 情報セキュリティー会社の担当者は「基本ソフト公開されていることで、ウイルス作成が安易になっている側面はある。また、アンドロイド端末向けのアプリ市場は複数あり、チェックも甘い」と指摘する。

 市場調査会社・コムスコアによると、国内でのスマホと従来の携帯利用者のうち、スマホ利用者の割合は10年9月に約5%。それが今年2月には約19%まで増加した。その間、スマホ利用者のうちアンドロイド端末が占める割合は14%から62%まで急増している。

 グーグルは「今年2月までに自社で管理するアプリ市場はチェックを厳重にした。最初から万全なセキュリティーシステムは存在せず、改良を重ねている」とコメントする。

 独立行政法人・産業技術総合研究所の渡辺創・セキュアサービス研究グループ長は「不審なアプリは原則購入しないこと。また、最新のセキュリティー対策が施された基本ソフトの更新をこまめに行ったり、悪質プログラム対策ソフトを導入したりすることも有効」と話している。

Yahoo!ニュース
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