スマホ安全対策 危険性認識し自己防衛も

 パソコン並みの機能を持つスマートフォン(多機能携帯電話)の急速な普及に伴い、安全対策が大きな課題となっている。スマートフォンを狙ったウイルスなどが急増し、個人情報が流出するなどの危険性が高まっているからだ。

 一般的にスマートフォンの利用者は、応用ソフトのアプリを受信して多種多様な機能を楽しむことが多い。

 ところが今月14日、実行するとスマートフォンに登録されている電話番号などを勝手に外部送信するアプリが出回り、100万人規模の個人情報が流出した恐れがあることが分かったのだ。

 情報セキュリティー会社「ネットエージェント」(東京)によると、問題のアプリは米グーグル社の基本ソフト(OS)「アンドロイド」搭載の機種向けに配信された16種類だ。人気ゲームソフトのタイトルを使い無料配布されていた。

 これらも含め、アプリは全部で約50種類あった可能性もあるという。

 アプリを使うとゲームの動画が流れるだけでなく、電話帳に登録された名前や電話番号、メールアドレスが外部のサーバーに自動送信される仕組みだ。3月中旬からアプリが配信され、約6万6千~27万人が使って数十万~数百万人分の情報が流出した恐れがあるという。ネット時代の怖さを思い知らされる。

 スマートフォンは、米アップル社のアイフォーンと、アンドロイドを使った機種に大きく分けられる。

 専門家によると、アイフォーンはアップル社が管理するネット上の店舗でアプリを入手するが、厳しい審査を経て登録されており安全性が比較的高い。一方のアンドロイドはプログラムが公開されているため、ウイルスが作成しやすいという。自由にアプリを入手できる半面、危険度も高くなるというわけだ。

 ウイルス対策ソフト大手の「トレンドマイクロ」(東京)によると、2010年12月末時点で5件だったアンドロイドを狙ったウイルスは、12年1月末には1271件にも上っている。事態は想像以上に深刻である。

 通話だけでなく、豊富なアプリで趣味や仕事に活用できるスマートフォンの人気が高まるのは理解できる。だが、携帯電話と同じ感覚で使う人も多く、安全対策への意識は低いのが現状だ。

 不正サイトに誘導し、動画再生に必要なアプリを導入させて料金を請求する「ワンクリック詐欺」や、金融機関を装った偽の電子メールでクレジットカード番号などを不正入手する「フィッシング詐欺」なども報告されている。

 スマートフォンは電話番号の付いたパソコンだ。便利さの裏に潜む重大な危険性を決して忘れてはならない。

 グーグル社などはアプリ市場のチェック強化など対策を講じているが、使用者自身も気を付ける必要がある。不審なアプリを受信せず、OS更新をこまめに行うなど、自己防衛に努めてほしい。

西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/299042