アンドロイドを標的にした"不正アプリ"が増えている

 米グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)を狙った不正アプリ(実行ソフト)が10月末時点で20万本を超えたことが、セキュリティー大手トレンドマイクロの調べで分かった。

 12月末には25万本を超えると予測され、スマホ利用者の自衛策が緊急の課題として浮かび上がっている。

 不正アプリの手口は巧妙化している。従来はアダルトや出会い系で利用者を誘導し、不当に料金請求する「ワンクリック詐欺」が主流だったが、最近は利用者の電話帳など個人情報を狙ったウイルスが目立ってきた。

 スマホの欠点改善をうたった「電池長持ち」「電波改善」などのアプリをダウンロードすると、「ダウンロード中」に電話帳などの個人データが抜き取られる手口があるという。また、無料のセキュリティー対策アプリを装い、個人データを抜き取るアプリも見つかっている。

 オープンな開発環境が特徴のアンドロイドは、有用なアプリを開発しやすいメリットがある一方、悪質な不正アプリが増える恐れも強い。10月30日には警視庁サイバー犯罪対策課が、アンドロイドの不正アプリで住所録などを抜き取った疑いで、開発したIT関連会社の元経営者ら5人を逮捕するなど、警察が取り締まりに乗り出している。

 しかし、スマホ利用者のセキュリティーに対する意識は低い。不正アプリの対策を取る利用者は全体の2~3割程度と推測されている。

 アンドロイド搭載スマホを販売する携帯電話事業者が抜本的なセキュリティー対策を講じなければ、被害に歯止めをかけることは難しい。

 NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルなどは、不正アプリや危険なサイトを知らせてくれる機能を持ったセキュリティーサービスを提供しているが、有料サービスの利用者は思うように増えていない。

 約1400万人のスマホ利用者を抱えるドコモは、無料と有料のセキュリティーサービスを提供。ウイルスなどを検出する無料サービスについては約700万人が利用している。

 一方、セキュリティー機能が高く、個人データを抜き取られる可能性のあるアプリを知らせてくれるサービスは有料(月額210円)のため、利用者は10万超にとどまる。KDDIとソフトバンクのセキュリティーサービスは有料(月額315円)のみだ。

 グーグルによると、アンドロイド用アプリは70万本に達し、アップルの「iPhone」用アプリに並んだ。非公式サイトには、不正アプリが今も氾濫している。携帯電話事業者は、利用者層が安心してスマホを利用できるように、セキュリティー対策の抜本強化策が欠かせない。高機能なセキュリティーサービスの標準装備を急ぐべきだ。(松元洋平)

Business Media 誠
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