ネットバンキング不正送金 新手口急増、ウイルス感染でID盗む

インターネットバンキングの利用者が送金などする際、パソコンをウイルスに感染させてIDやパスワードを盗み取る新たな手口の被害が急増している。兵庫県内の不正送金による被害は、4月末時点で昨年1年間を上回る約1億円に上る。以前は偽サイトに誘導する手口が主流だったが、被害の多くがウイルスによるものとみられ、県警は巧妙化する手口に警戒を強める。(奥平裕佑)
 

 県警などによると、新たな手口は、他のサイトなどに潜ませていたウイルスを感染させ、銀行などのホームページにログインした際、偽画面が表示され情報が抜き取られる。
 
 以前は金融機関を装い送られたメールで偽のサイトに誘導する手口が主流だったが、昨年春ごろからウイルス型が確認され始めた。昨年末以降、全国で被害が急増している。
 
 対策ソフト販売会社「セキュアブレイン」(東京)の調査では、今年3月までの約1年間で、同社のソフトを利用する約250万台のうち約3万9千台でウイルスを検知した。
 
 県警によると、県内で先月2日、ネットバンキングをしていた男性が、サイトに表示された偽画面に暗証番号などを入力後、知らない女性名義の口座に20万円が送金された。男性はパソコンの基本ソフト(OS)を更新せず、ウイルス対策ソフトもなかったという。
 
 県内の昨年の不正送金被害は74件約8500万円。今年は4カ月間で55件約1億円に上っており、大半がウイルス感染で被害に遭ったとみられる。
 
 大手銀行などは、一定時間で暗証番号が変わる「ワンタイムパスワード」を表示する小型端末の配布、対策ソフトの無料提供など対策に躍起だ。ゆうちょ銀行は昨年8月からホームページで対策ソフトを提供。「費用を負担してでも、顧客のセキュリティーを高める必要がある」とする。
 
 県警も啓発を強めるが、「パソコンの動作が重くなる」などを理由にソフトを活用していないなど、利用者の意識は希薄という。
 
 神戸大大学院の森井昌克教授(情報通信工学)は「利用者が対策を強めなければ、被害は増え続ける」と指摘する。
 
【ニュースソース】Yahoo!ニュース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140506-00000001-kobenext-l28